AKASAKA KAKIYAMA PRIDE

赤坂柿山のこだわり

工程 1 / 選米

私たちが素材として扱うもち米の中でもメインで使用している「新大正もち米」は富山県特産のもち米です。
全国のもち米生産量のわずか1%強という希少なものです。
立山の清水と豊かな土壌そしてたっぷりの陽光から生まれるお米のとても深い滋味と強烈なコシ。
生餅にするには歯応えがありすぎるくらいですが、おかきの素材としてこれ以上ふさわしいお米はありません。
この滋味は極めて豊かなおかきの香りに、杵つきにも負けない強いコシはサックリとした
おかき独特の食感として味わっていただけるものと思います。
※気候や収穫高の状況により使用割合は変動することがあります。

工程 2 / 精米・浸漬

1日に使うお米の量は約1トン。収穫されてから春を越え、水分量が安定したお米がおかき作りには適しています。
ふんだんに栄養を含んだ胚芽とともに、表面を約1割削ります。
どれだけ良いお米でも精米した瞬間から風味が飛んでしまうため、使う分だけをその都度自社で精米。
加工までの時間をできるだけ短くし、口の中でふんわり広がるお米の香りや旨味を、できるだけ生かすよう努めています。

工程 3 / 蒸し

素材への負荷を減らすため、もち米の育った富山の水で一晩浸漬したもち米を、これまた富山の水で蒸し上げます。
木製の蒸篭はステンレス製のものと比べ容器自体に遊びがある分、お米への当たりが優しく、余分な水分も取り除いてくれます。
さらにその日の外気や湿度、お米の状態に合わせて、途中で水を差し入れ、蒸し時間を調整するなど、職人が加減を見極めます。

工程 4 / 杵つき成形

余分な力が加わることなく、自然に落下する杵。杵搗きはその力強さに反し、お米の繊維を壊しません。
それはお餅にコシを、おかきにさっくりとした食感を与えます。
搗き上がったお餅は熱いまま、職人がほぼ一回で手延ししてトボ(型)に入れます。
職人が定量を見極め、大きな包丁を使い一発で餅を切り分けることでお餅に余計な負荷を与えません。
お餅は時間の経過とともに固くなってしまうため、手際よく仕上げる手延しは食感を決める大切な技として受け継がれています。

工程 5 / 裁断・乾燥

成形されたお餅は、手入れされた鋭い刃で切り(削り)出します。裁断の厚さは名刺2枚程度。
コンマ数ミリの誤差も許されない調整で裁断することで、表面に独特のツヤが生まれ、おかきの生き生きとした表情が生まれます。
さらにおかきの食感を左右する最も重要な工程が乾燥。 お菓子の中でもおかきは完成までに数日かかる珍しい存在。
無理な熱や風を当てず、自然にゆっくり時間をかけて乾かします。
生地の乾き具合は水分計で測りますが、基準の数値に収まっていても、最後は職人の触れた感触で判断します。
程よく乾燥が上がった時、おこわやお餅とは違う美味しさを秘めた生地が生まれます。

工程 6 / 焙焼

手間隙を十分にかけた生地は、その特徴により最適な火加減に調節された釜へまわされます。
じっくり余熱を与えて餅が半透明から白くなりそうな頃合いで強く火を入れます。
しっかり浮き上がったら狐色になるまでじっくり焼き色をつけていきます。
焼く時間は毎日試し焼きをしてその日の生地の状態などに合わせて調整。
焼き上がりの状態を見て、職人同士が対話し、時には乾燥からやり直すことも。
本物の一枚を焼き上げるために妥協はありません。

工程 7 / 味付け

お米以外の副原料は、お米の味を邪魔せず、米菓を引き立てるかどうかを基準に選び抜きます。
お醤油や天然素材から引いた出汁を、商品やおかきの形状に合わせて、味の濃さや色味を細かく調合。
そうして出来あがった秘伝のたれは木桶の樽で寝かされ、ゆっくりと呼吸をしながら出番を待ちます。