普段、何気なく食べている「おかき」や「あられ」、「お煎餅」。すべて「米菓」というお菓子に分類され、日本で最も古い「米菓」は千百年以上の古い歴史をもっています。その違いは、原材料。「おかき」と「あられ」はもち米から、「お煎餅」はうるち米から作ったものを言います。
では、「おかき」と「あられ」の違いは何でしょう?お煎餅業界の中では、一般的に大きさの違いと言われています。大きいものが「おかき」で小さくてコロコロしているようなものが「あられ」です。「ひなあられ」を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
しかし、この3つの違い。業界以外では、パリッと割りきれていないようです。例えば、名前に「お煎餅」と書かれていても、原材料がもち米だったり、関西では「おかき」も「あられ」も「おかき」と呼ぶとか。原材料と大きさをチェックして、「おかき」なのか「あられ」なのか「お煎餅」なのか自分で判断するしかなさそうです。
もち米=糯稲(もちいね)からとれる米で粘りけのある米。
うるち米=粘りけをもたない普通の米。
 
赤坂柿山は、富山県地方特産の新大正もち米を主原料とした「あられ」「おかき」が中心です。
季節限定商品の中には、「おかき」の他に型どった「おせんべい」や小麦粉を使った甘い 「玉子せんべい」も楽しめるものもあります。
「おかき」の起源を探る前に、「お煎餅」の起源を調べてみると、どうやら「お煎餅」は、平安時代に弘法大使が唐(今の中国)から持ってきたという中国伝来説が代表的なようです。しかし、そのころの「お煎餅」は、お米ではなく小麦粉をねって油で焼いたものでした。奈良の正倉院に収められている738年に書かれた古文書の中にも「小麦粉をねって、油で焼いた」という記録が残っています。その後、お米好きの日本人が唐の「お煎餅」を真似て、小麦粉ではなくお米を使って作り出したのが現在の「お煎餅」と言われています。
このような流れからお餅を使って「おかき」が作られたのでしょうか?詳しくは分かっていませんが、平安時代には、お餅を原料として作られた「おかき」が食べられていたようです。お正月、仏前や神前にお供えし硬くなった鏡餅を端から手で欠き、乾かして油で揚げ、食べはじめたとのこと。「お煎餅」のように焼いてもうまくいかなかったため揚げてみたそうです。
なぜ手で欠き取ったかというと、お正月早々、刃物を使うことは縁起が悪かったからだそうです。「おかき」の名前の由来は、ここからきているようです。

■お煎餅の名前の由来、代表的な説。
・戦国時代、茶道の千利休の弟子、幸兵衛が、小麦粉とお砂糖でできたお菓子を作り、それが大好評だったため、千利休から千をもらい「千幸兵衛」とつけた。それが省略され「せんべい」になった。
・草加の日光街道でダンゴを売っていたお仙というお婆さんが、売れ残りのダンゴを平らに引きのばし、乾燥させて焼いたところ、それが人気になり、お仙ばあさんの名前から「おせんべい」になった。
平安時代、唐(中国)から伝わった小麦粉を使った「お煎餅」が、だんだんとお米を原料にした「お煎餅」に変わっていき、また鏡餅を原料にした「おかき」も食べられるようになりました(その2参照)。「おかき」がそれから1000年以上もの間、愛され続け、日本を代表するお菓子になった理由は、やはり、お餅と日本人とが密接に深く関係しているからだと言えます。
桜餅、柏餅、おはぎ、草餅、菱餅、月見団子、ぼた餅、雑煮、鏡餅など、お餅は一年の節目節目に食べられています。年の暮れにお餅をついて、お正月に食べるという習慣は、すでに平安時代から行われており、お餅はお酒と並んでお祭りや行事のお供え物として昔から欠かせないものでした。
お餅には「神霊の宿るもの」と言う伝えがあり、古来のお正月には、海の幸、山の幸をあしらったお餅(鏡餅)を「明けた年も豊かな実りがあるように」と祈りをこめて供えることが大切な儀式のひとつでした。お餅は、日本人の主食であり最も大切な作物であるお米からできていますから、そのように言い伝えられてきたのでしょう。今日でも、神仏、床の間、台所、事務書など日常生活に関係の深い神聖な場所に鏡餅を供えています。
「おかき」は、そんな神聖なる鏡餅の生まれ変わりですから、日本人にとってとてもありがたい食べ物として、長い間愛されてきたと言えます。

■お米、お餅にまつわる風習
| ふり米 |
人が死去しそうになった時に米つぶを竹の筒に入れて枕元でふり、その音を聞かせて、元気をつけるというもの。 |
| 力餅 |
米を食べることによって力がつくことが名前の由来です。 |
| 産の飯(さんのめし)または産立飯(うぶたてめし) |
出産するとすぐ炊いて産神に供える飯。 また、産婆や関係者、近隣の人を招いて飲食すること。 |
| 米寿 |
88歳のこと。 |
昔から、お正月の後に乾燥してかたくなった鏡餅を、手で欠いて揚げて食べていたのが「おかき」(その2参照)。もともと各家庭で手軽に作られていたものでもあり、意外と簡単に“我が家の味”を作ることができるんです。それでは、ハンドメイド「おかき」の作り方をご紹介しましょう。
材料は、お餅、揚げ油、塩。お餅は、水分をしっかり飛ばしてから揚げた方がかりかりのおいしい「おかき」になりますので、ひびが入って乾燥した鏡餅が最適です。
- 2、3センチほどの大きさに餅を砕き、紙などに広げて乾燥した部屋でからからに乾燥させます。
- 油はたっぷり入れます。熱してから、小さなかけらを落として、すぐ浮いて膨らむくらいの温度になったら少しずつ揚げていきます。(膨らむと2倍くらいの大きさになります)箸でひっくり返しながら、全体的に薄く色がつくまで揚げます。
- 油を切り、冷めてから塩を振ってできあがりです
 お好みで、塩の代わりに七味唐辛子、砂糖しょうゆをからめてみても違ったおいしさが楽しめます。またナッツや干しえび、青海苔など、好みの材料をトッピングすることもできます。その場合は、一度やわらかくした切り餅に混ぜて、同様に乾燥させます。 揚げるのではなく焼く場合は、オーブンで5分くらい(機種によって焼き時間は変わります)、ほどよく色がつく程度に焼きます。
食べておいしい「おかき」ですが、実はからだにやさしいお菓子でもあります。昔は元気の出る食べものとして知られ、授乳のため栄養をつけたい産婦さんなどにもよく食べられていたそうです。
「おかき」や「お煎餅」はお米から出来ているので、良質のタンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンBI、B2、ミネラル、食物繊維などが含まれていて栄養豊富。実は「おかき」作りの中の乾燥させる行程が、お米の持つ栄養パワーを凝縮する効果を高めてくれるそうです。 また、もち米の中に含まれているでんぷんがα化(糊化)しているため、消化もよく、洋菓子などに比べてエネルギーや脂質が少ないこともあり、その点でもヘルシー。お子様からお年寄りまで安心して味わっていただける、体にやさしい健康的なお菓子なんです。
さらに、もち米に含まれる糖分と、ぱりっとした「おかき」を噛むことで、少ない量でも満腹感を得やすいので、ちょっと小腹がすいたな、という時や、おやつが食べたいけどカロリーが気になるという方にもぴったりですね。
「おかき」を食べると、かためなのでよく噛んで食べますよね。
「噛む」ということは、歯やあごの筋肉が活発に働いて丈夫になるだけでなく、噛むときの刺激で脳が活性化するとも言われています。いきなり「頭が良くなる」というわけにはいきませんが、よく噛んで食べる習慣はアタマにも体にも大切のようです(「おかき」は消化も良いので、受験生のお夜食にもおすすめです)。
また、よく噛んで食べると、満腹感が得られやすくなるので、肥満のもととなる食べ過ぎを防ぐことにもつながります。そしてなにより、よく噛むことで食べ物のおいしさをより一層味わうことが出来るのです。
最近はやわらかくて食べやすい食べ物が多くなっているため、しっかり噛んで食べることはより大切になってきています。おいしく楽しく「おかき」を食べながら、健康によい食習慣を心がけていきましょう。
贈り物として喜ばれるおかき。贈り物の習慣と言えば、盆と暮れの年2回、お中元とお歳暮がありますが、この習慣はどうして生まれたのでしょうか?
お中元の言葉の由来は、道教思想が根付いた昔の中国からきたものです。その当時、中国の人々は3人の天神様のそれぞれのお誕生日である中元(7月15日)、そして上元(1月15日)、下元(10月15日)に、お祝いのために供え物をしていました。一方日本では先祖供養の仏教行事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」には死者も生きた魂も供養するという考え方のもとに、その当時の人々は品々を取り交わしていました。中国の中元などの供え物と日本の仏事が結びついたことからはじまったとされています。
お歳暮は、年神様への必要な供え物を、年の暮れに本家や家元に持っていく日本の習わしからきています。現在でも新巻き鮭や数の子などを贈るのは、神様に供えるお神酒(みき)の酒肴に由来するといわれています。昔は新年の準備を始める12月13日から20日までに贈られたようです。
お中元もお歳暮も、公家の間で広まったのち、江戸時代には庶民の間でも習慣となりました。現代では、日頃お世話になっている親、親戚、上司、仲人などへ、好き嫌いが少なく、年齢を問わない食べ物を贈ることが多いようです。

贈り物に巻かれる「熨斗(のし)紙」について。
熨斗紙に印刷されている赤と金の紐は、「水引」と言い、贈答品や封筒に付けられる飾り紐の事を言います。本来は祝い事には紅白ですが、印刷では表現できないので赤と金になっているようです。お中元やお歳暮で用いられる「花結び」とも言われる蝶結びの水引は、何度も来ることを願う結び方で、来年も贈れるようにと、願う意味が込められています。
風呂敷は「結ぶもの」として縁起がいいとされ、昔から贈り物を贈る時に使われてきました。最近は、風呂敷を使うことが少なくなりましたが、日本の伝統的なエコバッグとして見直され、注目されつつあります。
風呂敷のはじまりは江戸時代、銭湯が登場した頃のこと。四角い布に着替えや入浴道具を包んだり、銭湯では包んでいた布を広げ、その上で着物の脱ぎ着をしました。風呂で敷くものという意味そのままに、四角い布が「風呂敷」と名付けられました。サイズはいろいろですが、68cm幅が一般的には風呂敷と呼ばれている大きさ。おかきなどの菓子折やご進物を包むためには75cm幅がおすすめです。
ここでは、風呂敷で包む時に途中でほどけにくい「本結び」という結び方と、一般的な包み方「お使い包み」をご紹介します。



玄関先で立ったまま贈り物を差し出す時は、風呂敷の包みをほどいてから、贈り物を正面に向けて両手で差し出します。部屋の中で渡す時も、風呂敷をほどいて軽く畳み、品物だけ差し出すのがいいでしょう。
風呂敷は、くり返し使えるので、とてもエコな包装材。結び方によって、ワインやスイカなどもきれいに包めます。ぜひいろいろな包み方を試してみて下さいね。
おかきは、お米が命。原料にこだわるだけ、美味しさが深まります。今回はそんなお米にスポットを当ててみましょう。
お米の素となる稲の起源は、インド、中国西南部の雲南、中国南部などさまざまな説がありますが、最初は東南アジアの丘陵地帯で栽培されたと言われています。日本に伝わった時期は明確ではありませんが縄文時代後期くらいと言われています。その時代から現代まで延々と続いて、日本人の生活の中に深くとけ込んできました。お米づくりは気候や自然との闘いでした。豊作ならば人々は豊かになり、凶作ならば生活が苦しく、飢えが待っています。そんな中、人々は豊作を願って、神に祈りを捧げる行事や文化を数多く生み出しました。日本の国技とされる相撲も、豊作を願う行事のひとつだったと言われています。その証拠に軍配表には「ごこくほうじょう五穀豊穣」と書かれていました。「五穀豊穣」とは米・麦・粟・きび・豆の五穀が豊かに実ること。すなわち豊作への切なる願いが込められていたのです。
■お米 歳時記
| 稲 |
イネ科の1年草。稲の開花は8・9月、早稲は9月上旬、通常は10月頃に実が熟する。暖かい所では年に2回つくる場合も。 |
| 田植え |
水の多い梅雨時に、泥田の中で行われる作業。その昔は、田植え歌を歌って、田の神に豊作祈願をした。 |
| 青田 |
田植えをした苗がすくすくと育って、緑が繁茂して一面を覆いつくす青々と田のこと。現在は7月頃が青田という感じ。 |
| 新米 |
今年収穫した米のこと。早場米が積み出されるのは9月下旬頃、一般的には10月頃には出回る。新米の炊きたては、柔らかくおいしい味を楽しむことができる。 |
| 餅 |
もち米でつくられたもの。もちという名前は、粘り気があって物に付着する「鳥もち」からきたとされている。本来、餅は正月、節句、祭りなどの晴れの日のお祝いごとに使われるものであった。 |
えっ、知っている!さすが、あられ・お煎餅通ですね。ご存じの方も、そうでない方も、おかきやあられ、お煎餅を食べるシーンを思い浮かべてみてください。いかがですか?「こたつに入って、美味しいお茶とお煎餅」。そんなシーンを思い浮かべる方が多いのでは……。
そこで、「 暖かい部屋で“あられ”や“お煎餅”を食べながらの家族団らん」。そんな幸せなシーンをたくさんのご家庭に味わっていただけたら…という願いを込めて、全国米菓工業組合が、1985年、立冬の日を「あられ・お煎餅の日」にしたそうです。
立冬といえば、二十四節気の一つでその日から立春前日までが、こよみの上では「冬」にあたります。11月8日前後は、冬立つ、冬に入るとの言葉通りに、秋の気配が去り、日が短くなって、冬を実感する頃ですね。
おかきやお煎餅は、平安時代、お正月に仏前や神前にお供えして硬くなった鏡餅を欠いて、揚げて食べたことが始まりとされています。そのことにちなんでおかきやお煎餅は、お正月前後、とくに冬に食べられていたのでしょう。ですから、立冬の日を「あられ・お煎餅の日」にしたようです。
暖かい部屋で美味しいお茶とお煎餅。日本人ならではの楽しみですね。ぜひ、あなたもご家族とご一緒にお召し上がりください。
★11月7日か8日が二十四節気で言う立冬となります。「あられ・お煎餅の日」は立冬の日にきまっているようです・・。
おかきやお煎餅は日持ちのするご贈答用のお菓子として重宝されていますが、食べ頃はあるのでしょうか?
食べ頃というか賞味期限はどんな食べ物にもあるように、おかきやお煎餅も例外ではありません。もちろん、焼きたてや、揚げたてのものに勝るものはありません。いつも焼きたてや揚げたてのものを食べられたら幸せですが、忙しい私たちにとってそんな機会は残念ながらめったにありません。
この機会に少しでも長く、美味しく食べられる方法をお教えします。
おかきやお煎餅にとって一番の敵は湿気です。その湿気をシャットアウトするために、封を切ったらしっかりと蓋の閉まる缶などの容器に入れ、湿気のない、日光の当たらない場所(冷暗所)に保管することがもっとも大切なこと。
「そんなの知っている!あたりまえのことじゃない」なんて思うかもしれませんが、美味しく食べるために「しっかりと保管すること」は重要なことなのです。さらに、日光に当てないことも同じくらい大事なこと。なぜなら、空気や日光にさらしてしまうと、酸化したり、醤油の風味が飛んだり、湿気でベタついたりするなど、おかきやお煎餅特有のパリッとした食感や風味がそこなわれてしまうからです。
最近はそうならないよう、パッケージにもいろいろな工夫がなされています。一例として、長く風味が落ちない素材「アルミ」なども開発されており、封を切っていない賞味期限内ならば、十分に美味しくお召し上がりいただけます。それでも「封を切ったらなるべく早く食べきること」をおすすめします。
ご贈答用に関しても先様に美味しくお召し上がりいただくために、先様のご家庭のことをよく考えて贈っていただくことをおすすめします。例えば、少人数で大人だけのご家庭なら小袋に入っているタイプ、お子さまが多いご家庭にはたっぷりとお皿に盛れるタイプが喜ばれることでしょう。
やはり、おかきやお煎餅は、いつでもどこでもパリッとした食感と香ばしい風味で美味しく召し上がりたいものですね。
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